
親の土地に家を建てる計画や、広い土地の一部を活用して新築を検討する際に、避けて通れないのが「分筆」という手続きです。
特に、ハウスメーカーに家づくりを依頼する場合、この分筆の手続きもまとめてお願いできるケースが多く、その手軽さから検討する方も少なくありません。
しかし、その一方で「ハウスメーカーに頼むと費用が高くなるのでは」「そもそも分筆って何から手をつければいいの」といった疑問や不安もつきものです。
ハウスメーカー 分筆 費用について正しく理解しないまま進めてしまうと、想定外の出費に驚いたり、手続きがスムーズに進まなかったりする可能性があります。
この記事では、ハウスメーカーに分筆を依頼する際の費用相場はもちろん、分筆登記のメリット・デメリット、具体的な手続きの流れ、そして費用を賢く抑える方法まで、家づくりを始める前に知っておきたい基礎知識を網羅的に解説します。
土地家屋調査士への直接依頼との違いや、住宅ローンへの影響、親の土地を分筆する際の贈与税の問題など、検索ユーザーが抱えるであろう具体的な悩みにも丁寧にお答えしていきます。
後悔のない家づくりの第一歩として、まずは分筆に関する正確な知識を身につけていきましょう。
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- 分筆登記の基本的な意味と必要性
- ハウスメーカーに頼んだ場合の分筆費用の相場と内訳
- ハウスメーカー依頼のメリット・デメリット
- 土地家屋調査士へ直接依頼する場合との料金や流れの違い
- 親の土地を分筆する際に注意すべき贈与税の問題
- 分筆登記をしないまま家を建てるリスク
- 分筆の費用を少しでも安く抑えるための具体的な方法
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ハウスメーカーの分筆費用の内訳と相場
- そもそも分筆登記とは?基本を解説
- 分筆登記にかかる費用の相場と内訳
- ハウスメーカーに依頼するメリット・デメリット
- 土地家屋調査士へ直接依頼する場合との比較
- 親の土地を分筆する際の贈与税と注意点
家を建てる際、特に親から譲り受けた土地や広大な土地の一部に建築する場合、「分筆」という言葉を耳にすることがあります。
ハウスメーカーとの打ち合わせの中で、分筆費用の話が出てくることも少なくありません。
しかし、そもそも分筆とは何なのか、そしてハウスメーカーに依頼した場合の費用は一体どれくらいが相場なのか、正確に理解している方は多くないかもしれません。
この章では、ハウスメーカー 分筆 費用の核心に迫るべく、分筆登記の基本から、費用の具体的な内訳、そして専門家へ直接依頼する場合との比較まで、詳しく解説していきます。
知っているようで知らない分筆費用の世界を、一つひとつ紐解いていきましょう。
そもそも分筆登記とは?基本を解説
分筆登記(ぶんぴつとうき)とは、法務局の登記簿上で一つの土地(一筆の土地)を、複数に分割するための手続きのことです。
例えば、登記簿上「A番地」という一つの土地があった場合、これを「A-1番地」と「A-2番地」のように、二つ以上の土地として登記し直すことを指します。
なぜこのような手続きが必要になるかというと、土地の利用価値や権利関係を明確にするためです。
私が考えるに、家づくりにおける分筆の最も一般的なケースは、親が所有する広大な土地の一部に子供が家を建てる場合でしょう。
このとき、家を建てる部分だけを親の土地から分筆して子供の名義にすることで、その土地と建物を担保に住宅ローンを組むことが可能になります。
金融機関は、融資の対象となる土地と建物の権利関係が明確でなければ、担保価値を正しく評価できないため、分筆を融資の条件とすることがほとんどです。
他にも、土地の一部だけを売却したい場合や、相続時に複数の相続人で土地を公平に分けたい場合などにも分筆登記は行われます。
この手続きは、土地の境界を正確に測量し、法的な手続きを踏む必要があるため、国家資格者である「土地家屋調査士」でなければ代行できません。
ハウスメーカーに分筆を依頼した場合でも、実際に作業を行うのはハウスメーカーが提携している土地家屋調査士ということになります。
つまり、分筆登記は単に地図上で線を引くような簡単な作業ではなく、測量と法律の専門知識が求められる重要な手続きである、ということをまず基本として理解しておくことが大切です。
分筆登記にかかる費用の相場と内訳
分筆登記にかかる費用は、土地の状況によって大きく変動するため一概には言えませんが、一般的な宅地の場合、おおよそ400,000円から800,000円程度が相場とされています。
もちろん、これはあくまで目安であり、土地の面積や形状、隣地との境界が確定しているか否かなど、様々な要因で費用は上下します。
費用の主な内訳は、以下のようになっています。
土地家屋調査士の報酬
これが費用の大部分を占めます。
報酬の中には、事前調査、測量作業、隣地所有者との境界立会い、境界標の設置、法務局へ提出する書類の作成、申請手続きの代行など、分筆登記に関わる一連の作業に対する対価が含まれています。
特に、隣地との境界が未確定で、隣地所有者の協力が得られにくい場合や、土地の形状が複雑で測量に手間がかかる場合は、報酬額が高くなる傾向にあります。
測量費用
土地家屋調査士の報酬に含まれることがほとんどですが、 separateで見積もられることもあります。
測量には、現況測量と境界確定測量の2種類があります。
分筆登記に必要なのは、隣地所有者全員の立会いのもとで境界を確定させる「境界確定測量」であり、現況測量よりも時間と手間がかかるため費用も高額になります。
この境界確定測量が、分筆費用の核となる部分です。
登録免許税
法務局に分筆登記を申請する際に納める税金です。
登録免許税の額は、分筆後の土地1筆につき1,000円と定められています。
例えば、一つの土地を二つに分筆する場合は、2,000円ではなく、分筆後の土地は2筆になるため、元の土地と合わせてではなく、分筆後の筆数で計算され、1,000円×(分筆後の筆数-1)という計算ではなく、単純に1筆あたり1,000円となります。つまり、1つの土地を2つに分けるなら、追加される1筆分の1,000円がかかります。
その他の実費
上記以外にも、法務局で登記情報や公図を取得するための手数料、交通費、郵送費などの実費が発生します。
これらの費用は数千円から10,000円程度であることが多いです。
このように、分筆登記の費用は様々な要素で構成されており、特に土地家屋調査士の報酬が大きなウェイトを占めることを理解しておくと良いでしょう。
正確な費用を知るためには、複数の土地家屋調査士事務所から見積もりを取ることが最も確実な方法と言えます。
ハウスメーカーに依頼するメリット・デメリット
家づくりと並行して分筆が必要になった場合、多くの人がハウスメーカーにそのまま依頼すべきか悩むポイントです。
ハウスメーカーに分筆登記を依頼することには、メリットとデメリットの両方が存在します。
これらを天秤にかけ、自身の状況に合った選択をすることが重要です。
メリット
- 窓口が一本化されるため手間が少ない
- 住宅ローンの手続きがスムーズに進みやすい
- 建物と土地の連携が取りやすい
最大のメリットは、手続きの窓口がハウスメーカーに一本化される点でしょう。
自分で土地家屋調査士を探し、見積もりを取り、打ち合わせを重ねる…といった手間が一切かかりません。
家づくりという大きなプロジェクトの中で、土地に関する専門的な手続きを丸ごと任せられるのは、精神的にも時間的にも大きな負担軽減につながります。
また、ハウスメーカーは提携している金融機関と住宅ローンの話を進める上で、分筆の進捗状況を正確に把握している必要があります。
自社で分筆手続きを管理していれば、金融機関との連携がスムーズになり、融資実行までのスケジュール管理がしやすいという利点もあります。
デメリット
- 費用が割高になる可能性がある
- 土地家屋調査士を自分で選べない
- 進捗状況が分かりにくい場合がある
一方で、最も大きなデメリットは費用面です。
ハウスメーカーは、提携する土地家屋調査士に業務を委託する形になるため、中間マージンや紹介料が上乗せされ、自分で直接依頼するよりも費用が割高になるのが一般的です。
この上乗せ分が100,000円から200,000円以上になることも珍しくありません。
さらに、どのような土地家屋調査士が担当するのかを自分で選べないという点もデメリットと言えるかもしれません。
土地家屋調査士にも、経験や得意分野、人柄など様々です。
直接会って信頼できると感じた専門家に依頼したい、と考える人にとっては不向きな方法です。
また、報告がハウスメーカー経由になるため、細かい進捗状況が分かりにくかったり、質問への回答に時間がかかったりするケースも考えられます。
土地家屋調査士へ直接依頼する場合との比較
ハウスメーカーに依頼するか、それとも自分で土地家屋調査士に直接依頼するか。
これは「手間と時間を取るか、コストを取るか」の選択と言い換えることができます。
ここで、両者の違いを分かりやすく表で比較してみましょう。
項目 | ハウスメーカーに依頼 | 土地家屋調査士に直接依頼 |
---|---|---|
費用 | 割高になる傾向(中間マージン) | 比較的安価(直接価格) |
手間 | 少ない(窓口一本化) | 多い(自分で探し、契約、管理) |
専門家の選択 | 不可(ハウスメーカーが選定) | 可能(自分で選べる) |
連携のスムーズさ | 高い(家づくりと一体で進む) | 自分でハウスメーカーと連携する必要あり |
透明性 | 低い(費用の内訳が不透明な場合も) | 高い(直接見積もりで内訳が明確) |
この表から分かるように、どちらの方法にも一長一短があります。
例えば、「多少費用が高くても、面倒なことはすべて任せて家づくりに集中したい」という方であれば、ハウスメーカーへの依頼が向いています。
一方で、「少しでもコストを抑えたい」「専門家と直接やり取りして納得のいく形で進めたい」という方は、自分で土地家屋調査士を探す価値が十分にあるでしょう。
私の視点では、まずはハウスメーカーから分筆費用の見積もりを取り、その上で、地域の土地家屋調査士会などを通じて紹介してもらった事務所からも相見積もりを取るのが最も賢明な方法だと考えます。
両方の金額とサービス内容を比較検討することで、自分にとって最適な選択ができるはずです。
親の土地を分筆する際の贈与税と注意点
親の土地の一部に家を建てる、というケースは非常に多く、その際に分筆は欠かせない手続きとなります。
しかし、ここで注意しなければならないのが「贈与税」の問題です。
単に土地を分筆しただけでは税金はかかりませんが、分筆後にその土地の名義を親から子へ変更(所有権移転登記)すると、それは親から子への「贈与」とみなされ、贈与税の課税対象となる可能性があります。
贈与税の基礎知識
贈与税には、年間110万円の基礎控除があります。
つまり、1年間にもらった財産の合計額が110万円以下であれば贈与税はかからず、申告も不要です。
しかし、土地の評価額は数百万円、数千万円になることが一般的なので、無償で譲り受けた場合はほぼ間違いなく基礎控除額を超えてしまいます。
土地の評価額は、売買価格ではなく、国税庁が定める「路線価」や市町村が定める「固定資産税評価額」を基に計算されます。
例えば、評価額が1,000万円の土地を贈与された場合、単純計算でも高額な贈与税が発生することになります。
贈与税を回避する方法は?
高額な贈与税を避けるためには、いくつかの方法が考えられます。
- 親子間売買を行う
- 相続時精算課税制度を利用する
- 使用貸借契約を結ぶ
一つ目は、土地を無償でもらうのではなく、適正な時価で親から「購入」する「親子間売買」です。
売買であれば贈与には当たらないため、贈与税はかかりません(ただし、親には譲渡所得税がかかる可能性があります)。
この場合、売買価格が時価から著しく低いと、差額分が贈与とみなされる可能性があるため注意が必要です。
二つ目は、「相続時精算課税制度」を利用する方法です。
これは、2,500万円までの贈与であれば贈与税がかからず、相続が発生した時にその贈与財産を相続財産に加算して相続税を計算する制度です。
将来的に相続税がかからない見込みであれば、有効な選択肢となります。
三つ目は、土地の名義は親のままにして、土地を無償で借りる「使用貸借」という形で家を建てる方法です。
この場合、土地の所有権は移転しないため贈与税はかかりませんが、住宅ローンの審査で不利になったり、将来の相続で問題になったりする可能性があるため、慎重な検討が必要です。
いずれにせよ、親の土地の分筆と名義変更が絡む場合は、税金の専門家である税理士に相談することが不可欠です。
ハウスメーカーや土地家屋調査士は税金の専門家ではないため、安易な判断は禁物です。
分筆手続きと並行して、必ず税理士に相談し、最適な方法を選択するようにしましょう。
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ハウスメーカーの分筆費用を抑える方法と流れ
- 分筆しないまま家を建てるデメリット
- 分筆登記の具体的な手続きの流れと期間
- 住宅ローン審査に与える影響
- 測量費用など諸費用を安く抑えるコツ
- 信頼できる土地家屋調査士の選び方
- まとめ:ハウスメーカーの分筆費用で後悔しないために
ハウスメーカーに依頼する分筆費用は、決して安いものではありません。
だからこそ、できるだけ費用を抑えたい、そして手続き全体をスムーズに進めたいと考えるのは当然のことです。
この章では、実践的な視点から、ハウスメーカー 分筆 費用を賢く管理し、節約するための具体的な方法と、知っておくべき手続きの流れや注意点について掘り下げていきます。
分筆しない場合のリスクから、コスト削減のコツ、信頼できる専門家の選び方まで、後悔しないための知識を身につけていきましょう。
分筆しないまま家を建てるデメリット
「そもそも、費用がかかるなら分筆なんてしないで家を建てられないの?」と考える方もいるかもしれません。
技術的には、分筆せずに家を建てること自体は可能です。
しかし、その選択は将来的に多くのデメリットやリスクを抱え込むことにつながります。
私が考えるに、主なデメリットは以下の通りです。
住宅ローンが組めない、または不利になる
最大のデメリットは、住宅ローンに関する問題です。
前述の通り、金融機関は融資の際に土地と建物を担保に取ります。
親の広大な土地の一部に家を建てる場合、土地全体が担保の対象となってしまいます。
親が他の借入のためにその土地を既に担保に入れていたり、将来的に売却を考えていたりする場合、金融機関は融資を認めません。
また、担保価値の評価が複雑になるため、融資が承認されたとしても、希望額に満たなかったり、金利が高くなったりする可能性があります。
将来の売却が困難になる
もし将来、その家と土地を売りたくなった場合、分筆されていないと非常に困ったことになります。
建物が建っている部分だけを売却することができず、親の土地全体を一緒に売却しなければならなくなります。
これでは買い手を見つけるのはほぼ不可能です。
売却を考える時点で慌てて分筆しようとしても、時間も費用もかかりますし、その時には隣地の状況が変わっていて分筆自体が困難になっている、というリスクも考えられます。
相続時のトラブルの原因になる
親が亡くなり相続が発生した際、分筆されていない土地は兄弟姉妹など他の相続人との共有財産となります。
「家が建っている部分は長男のもの」という口約束だけでは法的な効力はありません。
遺産分割協議で揉めてしまった場合、最悪のケースでは土地全体を売却して現金で分けることになり、住み慣れた家を失う可能性すらあります。
権利関係を明確にしておくことは、将来の家族間のトラブルを防ぐためにも極めて重要です。
固定資産税の問題
分筆しない場合、土地全体の固定資産税を誰がどのように負担するのか、という問題も生じます。
これもまた、家族間のトラブルの火種になりかねません。
これらのデメリットを考えると、初期費用がかかったとしても、家を建てる前にきちんと分筆登記を済ませておくことが、長期的に見て最も安全で賢明な選択であると言えるでしょう。
分筆登記の具体的な手続きの流れと期間
分筆登記は、土地家屋調査士に依頼してから完了するまで、一般的に2ヶ月から4ヶ月程度の期間を要します。
隣地との境界確定がスムーズに進まない場合は、半年以上かかることもあります。
ハウスメーカーとの建築スケジュールにも影響するため、家づくりを計画する初期段階で分筆の相談を始めることが肝心です。
具体的な手続きの流れは、概ね以下のようになります。
- 相談・依頼
まずは土地家屋調査士に相談し、正式に業務を依頼します。この際、土地の状況や希望する分割案などを伝え、見積もりを取得します。 - 事前調査
土地家屋調査士が、法務局で登記簿、公図、地積測量図などの資料を調査し、土地の権利関係や過去の測量履歴を確認します。 - 現地調査・測量
実際に現地に赴き、土地の形状や既存の境界標の有無などを確認し、測量機器を用いて精密な測量(仮測量)を行います。 - 境界の確認・立会い
これが最も重要なプロセスです。仮測量の結果を基に、隣接する土地の所有者全員に連絡を取り、現地で境界を確認するための立会いを依頼します。全員の合意が得られるまで調整が必要です。 - 境界標の設置
全ての隣地所有者から境界の同意が得られたら、コンクリート杭や金属標などの永続的な境界標を設置します。そして、境界を確認した旨の書面(筆界確認書)に、全員が署名・捺印します。 - 登記申請書類の作成
確定した境界測量の結果に基づき、土地家屋調査士が地積測量図などの登記申請に必要な書類一式を作成します。 - 登記申請
作成した書類を管轄の法務局に提出し、分筆登記を申請します。 - 登記完了
法務局での審査が完了すると、登記識別情報通知書(かつての権利証)と登記完了証が交付され、手続きは全て終了です。
このように、多くのステップを踏む必要があり、特に隣地所有者の協力が不可欠な「境界立会い」が期間を左右する大きな要因となります。
住宅ローン審査に与える影響
前述の通り、分筆登記は住宅ローンの審査に直接的な影響を与えます。
なぜなら、金融機関は「担保価値」を非常に重視するからです。
融資担当者の視点に立って考えてみましょう。
もし、債務者がローンを返済できなくなった場合、金融機関は担保である土地と建物を売却して資金を回収しなければなりません。
このとき、担保となる土地の範囲が法的に明確になっていなければ、売却することができず、貸したお金を回収できなくなってしまいます。
担保設定の明確化
分筆登記を行うことで、これから家を建てる土地が、親の広大な土地から独立した一個の不動産として法的に認められます。
これにより、金融機関は「A-1番地」という特定の土地だけを担保として設定することができます。
もし分筆していなければ、「A番地」という広大な土地全体に抵当権を設定する必要が出てきますが、これでは親の財産権を過度に侵害することになり、現実的ではありません。
また、親の土地に既に他の抵当権が設定されている場合などは、新たな融資は絶望的になります。
融資実行のタイミング
多くの金融機関では、住宅ローンの融資実行(お金が支払われること)の条件として、「建物の完成(表示登記完了)」と「土地・建物の所有権保存・抵当権設定登記の完了」を挙げています。
そして、その大前提として、土地の分筆登記が完了していることが求められます。
そのため、ハウスメーカーとの建築請負契約と並行して、できるだけ早い段階で分筆手続きに着手し、建物の引き渡しまでに確実に完了させておく必要があります。
ハウスメーカーに分筆を依頼するメリットの一つは、この建築スケジュールと登記手続きの連携をスムーズに行ってくれる点にあると言えるでしょう。
もし自分で土地家屋調査士に依頼する場合は、ハウスメーカーの担当者と土地家屋調査士との間で、スケジュール感を密に共有しておくことが極めて重要になります。
測量費用など諸費用を安く抑えるコツ
分筆費用の大部分を占める測量費用は、工夫次第で安く抑えることが可能です。
ハウスメーカーから提示された見積もりを鵜呑みにせず、少しでもコストを削減するためのコツをいくつかご紹介します。
相見積もりを取る
最も基本的かつ効果的な方法です。
ハウスメーカー提携の土地家屋調査士の見積もりだけでなく、自分で地域の土地家屋調査士を2~3社探し、見積もりを依頼しましょう。
土地家屋調査士の報酬は自由化されており、事務所によって金額は異なります。
複数の見積もりを比較することで、その土地の分筆費用の適正な相場を把握できますし、価格交渉の材料にもなります。
ハウスメーカーに「他社ではこのくらいの金額だったのですが」と相談してみることで、費用を下げてくれる可能性もゼロではありません。
既存の資料を最大限活用する
もし、その土地の「地積測量図」や「筆界確認書」などが過去に作成されており、法務局や手元に保管されている場合は、必ず土地家屋調査士に提示しましょう。
特に、比較的新しい、精度の高い地積測量図があれば、測量の作業を一部省略できる可能性があり、費用削減につながります。
古い資料でも、調査の手がかりになるため、土地に関する書類はどんなものでも一度専門家に見てもらう価値があります。
隣地所有者との関係を良好に保つ
意外かもしれませんが、これは費用と期間に大きく影響します。
境界立会いを依頼した際に、隣地の方々が快く協力してくれれば、手続きはスムーズに進みます。
しかし、日頃から関係がこじれていたりすると、立会いを拒否されたり、境界の位置で揉めたりして、解決までに多大な時間と費用(場合によっては弁護士費用など)がかかってしまうことがあります。
普段から挨拶を交わすなど、良好なご近所付き合いを心がけておくことも、間接的なコスト削減策と言えるかもしれません。
確定申告で経費として計上する
これは直接的な値引きではありませんが、最終的な手出しを減らす方法です。
分筆した土地を売却した場合など、特定の条件下では、分筆にかかった費用を譲渡所得の取得費として経費計上できる場合があります。
税金に関する部分なので、詳しくは税務署や税理士に確認が必要ですが、こうした制度を知っておくだけでも損はありません。
信頼できる土地家屋調査士の選び方
費用を抑えるために自分で土地家屋調査士を探す、と決めた場合、次に問題になるのが「どうやって信頼できる専門家を見つけるか」ということです。
料金の安さだけで選ぶと、後々トラブルになる可能性もあります。
以下のポイントを参考に、慎重に選びましょう。
見積もりの内訳が明確か
「分筆登記一式 〇〇円」といった大雑把な見積もりを出す業者ではなく、「測量費」「書類作成費」「登録免許税」「日当」など、何にいくらかかるのかを詳細に記載してくれる事務所を選びましょう。
費用の透明性は、その事務所の信頼性を測る一つのバロメーターになります。
また、追加費用が発生する可能性がある場合は、どのようなケースでいくらくらいかかるのかを事前に説明してくれるかどうかも重要なポイントです。
説明が丁寧で分かりやすいか
分筆登記は専門用語が多く、一般の人には分かりにくい手続きです。
難しい法律や測量の手順を、こちらのレベルに合わせて根気強く、丁寧に説明してくれる土地家屋調査士は信頼できます。
質問に対して面倒くさそうな態度を取ったり、曖昧な返事しかしないような場合は、避けた方が賢明です。
地域での実績や経験が豊富か
土地の境界問題は、その地域の慣習や過去の経緯が関係することもあります。
できるだけ、分筆する土地の近隣で開業しており、そのエリアでの業務経験が豊富な土地家屋調査士を選ぶのが望ましいでしょう。
地域の役所や法務局の担当者、他の士業とのネットワークを持っていることも、手続きをスムーズに進める上で有利に働くことがあります。
探し方
信頼できる土地家屋調査士を探すには、以下のような方法があります。
- 各都道府県にある「土地家屋調査士会」に問い合わせて紹介してもらう
- インターネットで近隣の土地家屋調査士事務所のウェブサイトを比較検討する
- 司法書士や税理士など、他の士業の知り合いがいれば紹介してもらう
- ハウスメーカーから紹介された調査士とは別に、自分で探した調査士として相談してみる
まずは土地家屋調査士会のウェブサイトを訪れたり、電話で相談してみるのが最も確実で安心な方法です。
【まとめ】ハウスメーカーの分筆費用で後悔しないために
本記事では、ハウスメーカー 分筆 費用をテーマに、その相場から手続きの流れ、費用を抑えるコツまで幅広く解説してきました。
家づくりにおける分筆は、単なる土地の分割作業ではなく、将来の資産価値や家族関係、そして住宅ローンという資金計画そのものに深く関わる重要な手続きです。
ハウスメーカーに依頼する手軽さは大きな魅力ですが、その一方で費用が割高になる可能性も否定できません。
かといって、自分で土地家屋調査士を探すのは手間がかかりますが、コストを抑え、納得のいく専門家に依頼できるというメリットがあります。
どちらが正解ということはなく、重要なのは、両方の選択肢のメリット・デメリットを正しく理解し、自身の価値観や状況に合わせて判断することです。
そのためには、まずハウスメーカーから提示された見積もりの内容を鵜呑みにせず、その内訳をしっかりと確認することが第一歩となります。
そして、可能であれば相見積もりを取り、適正な価格を見極める努力をすることが、後悔しないための最善策と言えるでしょう。
分筆登記は、家づくりのプロセスの中でも特に専門性が高く、分かりにくい部分かもしれません。
しかし、ここをしっかりと乗り越えることが、安心して新しい生活をスタートさせるための礎となります。
この記事で得た知識が、あなたの賢い選択の一助となれば幸いです。
- 分筆登記は一つの土地を複数に分ける法的手続き
- 家を建てる際の分筆は住宅ローン審査で重要になる
- 分筆費用の相場は一般的に40万円から80万円程度
- 費用の大部分は土地家屋調査士の報酬と測量費
- ハウスメーカーへの依頼は手間が少ないが割高になる傾向
- 中間マージンが上乗せされるのが割高の主な理由
- 土地家屋調査士への直接依頼は費用を抑えられる可能性がある
- 直接依頼は専門家を自分で選べるが手間がかかる
- 分筆しないまま家を建てるとローンや売却、相続で不利になる
- 分筆手続きには通常2ヶ月から4ヶ月程度の期間が必要
- 親の土地を分筆し名義変更すると贈与税の対象になりうる
- 贈与税対策には親子間売買や相続時精算課税制度がある
- 費用を抑えるには複数の土地家屋調査士から相見積もりを取るのが効果的
- 信頼できる土地家屋調査士は説明の丁寧さや見積もりの明確さで選ぶ
- 最終的にハウスメーカーの分筆費用で後悔しないためには情報収集と比較検討が不可欠

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- あなただけの間取りプランと土地提案を無料で手に入れたい
- 営業マンの強引な勧誘が苦手・嫌い
- 自宅にいながら土地探しをしたい